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亀田よ、モラレスの生きざまに刮目せよ

 先日、テレビ(WOWOW)にて放送されたWBCインターナショナル スーパーフェザー(58.97kg以下)級タイトルマッチ12回戦。
“パックマン”マニー・パッキャオ(フィリピン)VS“恐怖の男”エリック・モラレス(メキシコ)の大一番は、パッキャオの3回TKO勝ちという衝撃的な結末とともに幕を下ろしました。

 両雄は過去に二度戦っており、星は一勝一敗の五分(初戦はモラレスの12回判定勝ち。そして第二戦はパッキャオの10回TKO勝ち)。

 そうした流れを受けての今回の第三戦だったわけですが、ボクシングにおいてこのように再戦、再々戦が実現する時というのは、基本的に「もう一度やってもチケットが売れるであろう」という商業上の意図が働いています。

 つまりは、それだけ多くのお客さんが同じ対戦カードを「もう一度組んでほしい」と思っているわけで、それはなぜかと言えば、お客さんたちの間に大なり小なり「もう一度やれば違った結果が生まれるのではないか?」といった期待や不満があるからに他なりません。

 それにしても本当に驚きました。これほどの黄金カードが、まさかたったの3回(正味540秒以内)で終わってしまうとは。

 実力が接近したライバル対決――それも、今回のような一勝一敗を受けた決着戦がこれほどワンサイドな展開になるケースなど、そうそうお目にかかれるものではありませんからね。
 ましてやエリック・モラレスと言えば、国際的な水準から見てもたった一握りの強豪中の強豪であり、普通に考えればKO負けどころか、そもそも簡単にノックダウンを喫するような選手ではありません。それほどの怪物を向こうに回して、フィリピンのマニー・パッキャオが互角どころか都合三度もの明快なノックダウンを奪っての完勝を収めるなど、フィリピンはおろかアジア圏のボクシング界でも極めて異例の事態。フィリピンのボクシングファンがうらやましい……!

 それはそれとして――。
 やはり本物というのは、決して本物との対決を恐れないものだと思います。
 天才オスカー・デラホーヤが、かつて最強の名をほしいままにしていたバーナード・ホプキンスに挑戦し、ボディーブローただ一撃であっけなく沈んだ時、一体誰がデラホーヤのことを“弱い”と思ったでしょうか。

 もちろん勝った負けたの強さも否定できるものではありませんが、やはり人間の本当の強さとは、自分の現実や限界を見極めようと努力する姿勢や、また、その限界を謙虚に受け入れた瞬間に初めて生まれるものではないでしょうか。
 僕は、亀田興毅という人間一個人を目のカタキにしているわけではありません。ただ、目先の金に群がる周囲のオトナたちの結束力など、いざとなったらタカが知れているよ、とだけはご注進申し上げておきます。

by atom552808-7 | 2006-11-23 22:35  

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