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亀田問題 (その2)

 亀田興毅選手のいわゆる“疑惑の勝利”――。
「おかしい!」と首を傾げる多数派に対し、「現行の採点方法では致し方ない面もある」と説明する専門家たち。

 そこへ良識派(?)の著名人が登場し、「亀田個人は悪くない!」式の、誰もがハナから承知しているような言わずもがなの正論や、「多数派の感じ方が正しいとは限らない!」式の壮大な一般論を持ち出してきて、最後は皆で何となく黙り込む――というのが、このたびの論議の現在までの基本パターンだと思います。

 ボクシングの採点方法が、最終的にはジャッジ個人の主観・価値観に委ねられた“曖昧”なものであることは、これまでにもたびたび説明されてはいます。

 ただ問題は、採点方法が“曖昧”であることが、直ちに亀田選手の勝利を証明するわけではない、ということです。本来はそのルールを踏まえた上で、「じゃあ亀田の勝敗を検証しましょう」、とならなければおかしい(WBAではそういう検証が行われるらしいのですが、さて……?)。

 しかし現状、話は採点方法を説明した段階でうやむやになっています。僕はこれがズルいと思う。
 そこには、「一般のファンには“採点方法”の説明を。そして、玄人筋には“ジャッジの価値観”の話をして、両者とも煙に巻いてしまおう」という思惑が透けて見えるからです。

 協栄ジムがズルいのか? ズルくないのか? それは僕には判りません。
 ただ、少なくともこの“採点方法の不透明性”が、ズルい人たちにとって格好の隠れ蓑になり得ることは確かです。
 何もやましいところのない人たちが、これだけの“疑惑”をわざわざ“疑惑”のままで野放しにしておく、などということが果たしてあるでしょうか――?

by atom552808-7 | 2006-08-08 12:10  

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